AYUMI GALLERY
新・大地の家
鈴木喜一 著
【1994年7月1日発行】
──香港の九龍駅から中国国境の羅湖に向かう。進行方向右手に河、左手には高級別荘から難民キャンプのようなプレハブが見えるが、高層ビルもずいぶん建っている。塔状都市、香港の面影は田園にも延々と続いている。
【『新・大地の家』(中国)170ページより抜粋】
256ページ/建築資料研究社/本体価格2427円+税
建築家であり、世界各地を旅することをライフワークとしている著者の紀行文。
旅人として、建築家として、また地球に生きるものとして世界を見つめ、独自の言葉で綴る。
ただの紀行文ではない。著者の体内を通ってきたことばがページをめくるたび読むものを揺さぶる。
扉ページの「人が本当に生きている場所は町も建築も生きている」という一文が印象深い。
羅湖から中国側の深せんにはいり、広州に向かった。国境を越えただけで土地の空気は見事に一変してしまう。むろんここには高層ビルはない。近代の落とし穴に入っていく感じだ。