神楽坂建築塾 第九期 修了制作

酒津をアートの発信地に Part2

 梶原 洋子

家主不在の古民家を保存、再生、活用し、酒津地域を児島虎次郎のアトリエを軸としたアートの発信地として発展させていくことを目指す。酒津に町づくりの拠点をつくり、地域全体が形成する価値を共有し、ネットワーク作りを進める。

模造紙

■この1年の活動状況

a.酒津の町歩きを企画(梶原洋子コーディネート)

第1回 2006.12.
[参加者]:鈴木喜一、金光正隆(建築家)、藪野圭一(画家)福森幾代(インテリアコーディネーター、gエッセンス代表)

第2回 2007. 9.
酒井絵美、稲石奈津子(はしまやスケッチ展参加の神楽坂建築塾生)               

第3回 2007.10.
:楢村徹、仁科真弘、仁科美穂子(建築家)、gエッセンスのみなさん

第4回 2007.11.    
:小川原千晶(倉敷市景観委員)

第5回 2007.12. :
鈴木喜一、楢村徹、岡田勲、金光正隆、仁科真弘、仁科美穂子(建築家)、藪野圭一、武内立爾(陶芸家)、赤松伸咲(全日本刀匠会理事刀鍛冶)、小川原千晶、梶原由子、gエッセンスのみなさん

第6回 2007.12.
:原孝吏(倉敷市建設局都市計画課)、市職員1名、藪野圭一、小川原千晶、梶原由子、gエッセンスのみなさん

b. 2007.11. 岡山の建築家のスケッチ会が酒津で行われた。

※各回とも近隣に飲食をする場所がないこともあって、インテリアコーディネーターの事務所gエッセンスのある古民家B邸で会食またはお茶をさせてもらった。
※町歩きの参加者原孝吏さん、赤松伸咲さんから賛同、応援のメールをいただいた。またこれがきっかけとなって、赤松さんが、倉敷ケーブルテレビに紹介された。また、酒津が一番美しい桜の季節に岡山のスケッチ会が、再度企画されている。

■古民家A邸

■榎窯

■虎次郎アトリエ

■刀鍛冶工房

■gエッセンス

■古民家C邸

■酒津の町並み

■酒津配水池の案内

■まとめ

町歩きの回を重ねる毎に酒津の魅力を再発見している。

水と緑に恵まれた自然景観、ゆったりと点在する古民家のある歴史的景観、そこに生活する魅力的な人々。画家、陶芸家、刀鍛冶、インテリアコーディネートグループ、日本音劇座(備中神楽と電子音楽を組み合わせた音劇)、木工家など、既に芸術家が居住し、活動されていることが、少しづつわかってきた。参加者数も増え、いろいろなジャンルの方々との出会いもある。2007年12月の町歩きで、陶芸家、画家、刀鍛冶の工房を見学させてもらった。芸術家同士、近所に住んでいても互いのアトリエや工房を見せてもらうのは初めてと好評だった。あらためて、住民同士のネットワーク作りが大切だと痛感した。市の都市計画課の方の参加も得られ、近々に古民家B邸(持ち主は県外在住で、祖父は現天皇にテニスを教えていた方だそうだが)の歴史を、東大の西村先生という路地研究の第一人者の協力を得て、再調査することになっているそうだ。

私は古民家B邸の奥の古民家C邸が酒津の草分け的存在だと親戚筋の方から聞いていたので、付け加えてC邸(持ち主は県外在住で空家状態)も調査して下さいとお願いしている。酒津地域の景観形成を重点的に取り組んでいくための案は、今の段階では私案レベルだが、近々に倉敷市案として提出されることになっているそうだ。地域の代表的な風土景観を後世に残していこうという気の長い構想が動きだしている。

残念なことに2007年8月に児島虎次郎アトリエに隣接する古民家A邸が一部を残して、とり壊されてしまった。家主不在で、空家状態が続いている古民家も多いと思われるので、町づくりの拠点となる場所が必要だと思われる。具体的には、gエッセンスの事務所のある古民家B邸の長屋門を拠点として活用する方法を検討中である。イベントを企画して、長屋門にテーブルと椅子を持ち込み、一緒にお茶を飲むなどして、空間と時間を共有し、活用方法を、ゆっくりした時間の流れの中で、共に考えていってはどうかと考えている。