神楽坂建築塾・番外スケッチツアー 中国民家探訪2003年3月
輪の家の宇宙

福建省客家土楼の世界を訪ねます

募集は締め切りました

2003年スケッチツアー
 神楽坂建築塾では次なる番外編として2003年3月下旬、中国福建省の客家を訪れることとなりました。福建省の山の中に点在する客家円楼(輪の家)を訪ねます。大橋富夫氏、その他の講師陣も参加予定です。

【募集要項】  

■日程:2003年3月24日(月)〜3月31日(月)7泊8日
■訪問地:福建省、厦門
■費用:176,000円(往復飛行機代・ビザ代・現地移動費・宿泊代等含む)
■申込締切:2003年2月14日(金)。神楽坂建築塾事務局までメールでお申し込み下さい。
■定員:先着15名
■同行講師:大橋富夫氏(写真家)、鈴木喜一ほか。
■道先案内人:王超鷹氏
■主催:アユミギャラリー神楽坂建築塾

アユミギャラリー神楽坂建築塾事務局
〒162-0805 東京都新宿区矢来町114
Tel.Fax.03-3269-1202
ag@ayumi-g.com

画/kiichi suzuki

 

ツアー内容・条件など

関連ツアーの報告

●旅行条件
・神楽坂建築塾塾生に限らず、どなたでも参加できます。
・最少催行人数:10人
・添乗員および通訳:あり
・費用について
 (1)旅行費用には、往復飛行機代・ビザ代・現地移動費・宿泊代が含まれています。
 (2)食事および海外旅行障害保険は含まれません。(朝食・昼食付)

●発着地: 東京(成田空港)、ただしそれ以外の発着も相談に応じます。
●航空会社:中国国際航空, 中国東方航空, ノースウェスト航空を検討
参加申込
 (1)
メールまたはお電話にて「氏名・人数・住所・電話番号」をお知らせ下さい。
 (2)折り返し「ツアー参加申込書」を郵送します。必要事項を記入しアユミギャラリーあて郵送してください。
 (3)旅行費用の入金をもって正式な申込といたします。
 (4)参加希望者多数の場合は、申込順に参加者を決定させていただきますので、ご了承ください。

 

中国地下住居ヤオトンのまちを見る 
 
(2002.9)
●徽派民居を訪ねて
 
(2001.03)
中国江南水郷をゆく
 (1999.12)
 
……長江下流域は、縦横に張り巡らされたクリークによって今も人々の生活の大きな部分が水運に拠っています。蘇州や周荘など、水郷とよばれる古いまちなみを訪ね、建築のフィールドワークやスケッチを行いました。


◆客家土楼の世界

 ここは福建省永定県の山の中……、輪型の生土シュントウの家(環形土楼)があちこちに潜んでいる場所である。土があり、風があり、夜の闇があり、動物や昆虫など自然という生態系まで一切合切含めて共棲し続けている世界がいまだに存在しているのである。この山奥に辿りつくまでに厦門から★州、青靖、永定とミニバスを乗り継いでやってきた。この間、まるまる三日間かかっている。途中で★州の老街ラオジー騎楼キロウなどをぶらぶらと歩いていたせいなのかもしれない。

 輪の家つまり巨大な円い住居は、客家ハッカ一族がつくった大家族の集住体で、一般的に客家民居ハッカミンチーと呼ばれているが、外周壁が生土でできているので客家ハッカ土楼トゥロウとも言われている。彼らは北方の騎馬民族に圧迫され、黄河中流域(中原)から安住の地を求めてどんどん南下した流浪の民である。この辺りの山間部に定着したのが一二〜三世紀のことで、中原から遷移を始めたのは古く東晋時代の四〜五世紀にまで遡る。客家人は長い時間をかけて険しい山地に棚田を切り開き、数世同堂の大家族制度と城塞のような土楼住居を築きあげていったのである。

 彼らは輪の家の他にも方形土楼や斜面土楼、平地型の群体住居などをつくっている。どの形式も軒は深く、外壁を生土壁で堅く閉ざし、内には木造で柔らかく開かれている。楼名を記した大門から門庁を潜って、ゆるやかな円い曲線を描いている走馬廊ツォウマアランを見上げていると、不意の訪問者でも何かしら内へ入ったというくつろぎに包まれるのである。 その安心感は生土壁の圧倒的な閉鎖意識とは裏腹な木造骨組の織りなす柔軟さからくるものなのかもしれない。あるいは幾重にもなった円い空間の親しさといえるかもしれない。家畜の鳴き声や人の声も聴覚を心地よく刺激してくる。ちょうど昼時だったせいか、炒めものの匂いも漂ってきた。人や動物が集まって住むことの楽しさ、助けあう形、協同の強いつながりを内なるパブリックな空間に想像することができるのである。

 僕は振成楼の環形土楼に宿泊していたのだが、楼主は「瞭望台土楼的軍事防御施設、四層土楼、一楼的厨房二楼的粮倉三四楼的臥室」「坑地震、防風、防火、防盗、冬暖夏涼」という説明をしてくれる。

 この漢字の意味を追えば、一階は厨房・食堂、二階は食料庫・雑品庫、三階以上が寝室群ということである。各寝室は平等に分割されていて、円形プランゆえに外側から内側に向かって若干すぼんでいる扇形の個室(約十平米)というのが特徴である。家長、老若の区別なく血族全員が分け隔てなく暮らそういう客家の崇高な思想を平面から読み取ることができそうである。

 と同時に、やはり軍事防御施設ということが僕の脳裏をかすめる。漂流民、客家人たちは異民族支配の被害を避けると同時に、独立自尊の気構えで一致団結の志を固め、理想郷を求めて中国西南地域を彷徨い、古来の文化を保持するために山間僻地に立篭ったのではないだろうか。(鈴木喜一著『中国民家探訪事典』抄)


▲南靖県曲江村の環形土楼(暁春楼)と方形土楼
写真/鈴木喜一

 

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