第六期神楽坂建築塾 公開講座

 

 神楽坂建築塾では、下記の要領で公開講座を行います。塾生以外の方も参加できますのでご興味のある方はお早めにお申込下さい。 

タイトル:民家の多様性※タイトルが変更になりました。
日 時:2004年7月11日() 13時〜15時
場 所:アユミギャラリー高橋ビル地下二階(地下鉄東西線神楽坂駅真上)地図はこちら
受講料:2,000円(当日精算いたします)
人 数:一般枠15名
受講希望の方はメールにて「氏名・住所・アドレス・電話番号・受講人数」をお知らせ下さい。折り返しご連絡いたします。


パネリスト

楢村徹氏(建築家)

1947年 岡山県倉敷市生まれ
1972年 広島工業大学建築学科卒業
1981年 倉敷建築工房楢村徹設計室設立 現在に至る
1985年 古民家再生工房設立
1999年 日本建築学会賞・業績賞受賞
2002年 JIA環境建築賞住宅部門最優秀賞受賞
【著書】「古民家再生術」(共著)住宅建築別冊・55『民家は甦る』(共著)

平良敬一氏(建築評論家・神楽坂建築塾塾長)

1926年沖縄県生まれ
東京大学第一工学部建築学科卒業
『国際建築』『新建築』『建築知識』『建築』『SD』等の編集者を経て1974年 建築思潮研究所設立
『住宅建築』創刊。1993年より相談役
1997年日本建築学会賞受賞
1999年より神楽坂建築塾塾長。
北海道工業大学客員教授。

鈴木喜一(建築家・神楽坂建築塾事務局代表)

1949年 静岡県富士宮市生まれ
1976年 武蔵野美術大学卒業。卒業後1980年まで同大学助手
1980年〜1981年 フランスを中心にヨーロッパ各地、北アフリカ、中近東を巡る
1984年 鈴木喜一建築計画工房開設及びアユミギャラリーを開廊
建築家・神楽坂建築塾主宰
武蔵野美術大学講師


 街並みの保存やその遺産を生かしての「まちづくり」それと共に「古民家の再生」などが言われて久しく、今ではそれが市民権を得ているかのようです。私はその折角の動きが上滑りになるのではと、少なからず心配を抱いています。私は民家という力に対して、現在をどう組み込むことができるかを突き詰めて考えることで「地についた豊かな生活」を獲得できるかどうかに関心を持っています。再生には色々な方法があって良いと考えます。我々は時間がかかっても「質」を大切に思考錯誤を繰り返しています。その中で生まれる「多様性」は何でもありではなく、最終的には建築としての「質」を問われるものだと思います。そのあたりのことから今回「再生の本質」とは何なのかを少しでも明確にできればと思っています。(楢村徹)

 古民家再生の仕事は全国にいろいろあります。例えば、長野の降幡廣信さんや、東京の吉田桂二さんの仕事なども、古民家の持つ伝統を保存し活かしていこうとするものです。岡山「古民家再生工房」で出会った仕事もその一つですが、ちょっと様子が違っていました。民家の中に、もっといろんな要素が入り交じっていて、現代の生活の視点がうかがえるのです。もちろん、古民家の持つ伝統を残すのだが、現代の生活にとってプラスになるような価値付けをして世の中に送りだしている。単なる保存ではなく、現代の生活にマッチするように活かしてある。そこには、いろいろな工夫が見られ、一見雑然としたような場面も登場しますが、それが魅力になっている。魅力とは、様式化されていない野性的な部分が再生の中に残されて、さらに現代的なセンスや感覚が加わっていることです。これまで民家に感じていた魅力は古くさいものでしたが、岡山の仕事を見て、民家を現代に価値付けできるようになってきた。いろいろな要素が交じりあって、混合しながら共存して、魅力を醸し出している。(平良敬一)

 本講座でキーワードになるのが「ハイブリッド」。本来、庶民の住まいであった民家は、縄文・弥生時代の竪穴式に始まり、以降、自由に様々なものの影響を受けて形成されてきた。それは決してスタティック(静的)なものではなく動的であるといえる。多様なものが共生し、自然と人間の営みが混成(ハイブリッド)しているのである。楢村さんを含む岡山「古民家再生工房」の仕事は、その土地固有の造形表現に加えて、地中海・アジアに始まる様々なデザインボキャブラリーを縦横無尽に混ぜあわせて再生する。民家を現代に引き継ごうとする手法において、ハイブリット性がそこに見られるのである。(鈴木喜一)


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