川崎巨泉の木版画(図案小作品集)展
AYUMIGALLERYではギャラリー企画として、2022年12月23日(金)より、川崎巨泉(1877-1942)の木版画による図案シリーズを展示いたします。これらの木版画作品は、明治から大正へと移り変わる日本にとって重要な転換期となる 1911年から1913年にかけて刊行された三部作「 図案小品集1、2、3」から抜粋するものです。明治時代の開国は、木版画に大きな影響を与え、歌舞伎役者や茶屋の美人画など、従来の題材にとらわれない作品を生み出しました。これらの作品はAYUMIGALLERYを自らのアトリエとして設計した、高橋博氏の個人コレクションから発見された、大変貴重な作品です。本展ではこのコレクションの原型となる書籍の形態を 解体し、一点一点にフレームを付けてご紹介いたします。これらの作品が後世に受け継がれるきっかけになることを願っています。ぜひご高覧ください。
アーティストについて 川崎巨泉 Kyosen Kawasaki 川崎巨泉(1877-1942)、本名は末吉、巨泉はその号です。 その他に、人魚洞、芳斎、碧水居とも号しました。堺に生ま れた巨泉は、幼少より絵が得意で、明治25年(1892)、当時 堺に住んでいた上方風俗画家の第一人者中井芳瀧に入門しま した。一時、画の修行のため上京しましたが、1、2年で大阪 に居を移した師芳瀧のもとに戻り、婿養子となって、師の後 を継ぎ、新聞や雑誌の挿絵、刷り物風俗画(『大阪名所』) などの画業を続けました。明治36、7年頃から各地の郷土玩具 に興味を抱きはじめ、主に郷土玩具を描くようになりました。近代化のもとで廃れていく郷土玩具がもつ庶民美を高く 評価し、写生画を残すだけでなく、郷土玩具研究会を主催、 又『人魚』などの研究会誌を発行して、その民俗学的価値を追求しました。近年では巨泉が描いた十二支に関与した郷土玩具の絵が毎年の年賀切手の意匠に採用されています。
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